無名のぼくの記録

記憶に残らないような存在でも、確かにぼくは今日も幸せに生きている。

酒好きにアルハラはいない

 

ぼくの揺るがない信条が、実はひとつだけあって、酒は楽しむものだというのを大事にしている。

 

酒が好きな人は幾つかの分類にわかれるのだが、ぼくの中で本当に酒が好きな人はアルハラにならないと思っている。

というのも、悪意を持って相手の事を考えずに物事を行う人はいないと思うのだ。

それこそ社会に出れるような障害の無い人間こそ、まさかにそれが当てはまるべきだと思うのだが、なかなかそうもいかずにぼくの店の中にも酷いアルハラ光景を目の当たりにする事は多々とある。

 

酒は飲めるからすごい、ではなく、酒はひとつのツールにしか過ぎない。

たばこと一緒だ。喫煙者同士が喫煙ルームで仲を深めるように、酒飲みは酒を飲める席で仲良くなれるというものであって、決してアルコールがダメな人にそれを強要してはいけないと思う。

アルコールがダメならば食事をともにすれば良いだけの話だからね。

 

本当にお酒が好きならば、自分の好きなものならば他人の苦労にならないようにさせたいと思うのだが……

あまり今の人は、そこまで気がまわらない人もいるらしい。

 

ぼくは色々な世界を見る、それは飲み屋の中の設定だったり仮想なものかもしれないが、ぼくからすれば恵まれた環境で楽しくしている者もいれば、苦汁を飲むために生きているのかと先の未来を案じてしまう人も居て、

飲み屋にかかせないツールの酒を交えて、ぼくは彼らと対話してその断片を知る。

毎日口にするものだからか、それともぼくが酒が好きだからかはわからないが、ぼくはお酒の場だけは皆陽気であってほしい。

酒を飲む事が苦痛だと思ってしまう場は、ぼくはとても苦手だ。